犬歯が黄色いのはなぜ?原因や予防方法、ホワイトニングについても解説

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犬歯は、ほかの歯と比較して黄ばみやすく、汚れが落ちにくい歯といわれています。笑顔になったときや会話中に黄ばんだ犬歯が気になり、ホワイトニングをお考えの人は多いでしょう。

一方で、犬歯の着色を防ぐ方法や、ホワイトニングの効果が具体的にどの程度なのかが分からない人もいるのではないでしょうか。この記事では、犬歯が黄色い原因を解説するほか、着色予防に効果的な方法やホワイトニングについても詳しく解説します。

この記事の監修医師

安藤 雄基 歯科医師

安藤 雄基 歯科医師

  • 監修

愛知県名古屋市で歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科に加え、美容皮膚科の診療も行う「あんどう歯科・美容皮フ科」を2023年に開院。一般歯科・審美的な歯科治療、子どもの口腔機能に着目した小児矯正を得意としています。美容皮膚科と連携をとりながら、健康と美を求める患者さんのサポートを目指しています。

犬歯とは?

犬歯とは?の画像 犬歯とは?の画像

犬歯とは、前歯から数えて3番目に生えているひし形の歯のことで、上下合わせて4本あります。犬歯はとくに根っこが長く、横からの力に強いことが特徴です。そのため、最後に残ることが比較的多い歯ともいわれています。

また、犬歯は別名「糸切り歯」とも呼ばれており、鋭い先端で食べ物を噛み砕きます。そのため、食事をするうえで重要な役割をもつ歯といえるでしょう。

なお、犬歯と八重歯は同じではなく、両者は全くの別物です。八重歯は、犬歯が歯列の外に歯がはみ出した状態のことを指します。また、ほかの歯と重なって生えることが特徴です。

犬歯が黄色くなる原因

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犬歯が黄色くなる原因としては、主に2つの理由があげられます。ここでは、なぜ犬歯はほかの歯よりも黄色くなりやすいのかを詳しくご説明します。

エナメル質と象牙質の構造

犬歯が黄色くなる原因として、エナメル質と象牙質の影響が考えられます。

エナメル質とは、歯の白く見えている部分を指し、体の中で最も硬く主にカルシウムやリンなどの無機質でできています。エナメル質は、歯の内部を守る、いわば「歯の鎧」です。

一方で象牙質は、エナメル質に覆われている部分を指し、歯髄から栄養をもらって生きている組織です。結晶とコラーゲンでできており、エナメル質より柔らかく虫歯になりやすい構造をしています。

もともと犬歯は、象牙質の色は濃い一方で、エナメル質は薄いことが特徴です。そのため、象牙質の色が透けて黄色く見えやすくなっています。
また、犬歯はほかの歯と比較すると、噛み合わせの際に負担がかかりやすい歯です。これに伴い代謝が促進され、犬歯が黄色くなる原因とされています。

磨きにくい位置にある

犬歯が黄色くなる原因の一つとして、磨き残しがあげられます。犬歯は歯磨きしにくい位置に生えるため、磨き残しが出てしまいます。歯ブラシが当たりにくい位置にあり、しっかり磨いたつもりでも、汚れが取れていないことも多いでしょう。

犬歯はほかの歯と比較するときちんと磨けていない場合が多く、歯のなかでもとくに黄色くなりやすいといわれています。

犬歯の黄ばみを予防する方法

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犬歯の黄ばみを予防するためには、部分的ではなく、歯全体への効果を期待できる方法がおすすめです。ここでは、犬歯をはじめ、歯全体の黄ばみを予防する方法についてご紹介します。

着色しやすい食物を控える

犬歯の黄ばみを予防するためには、着色しやすい食べ物や飲み物を控えることが有効です。
とくにステインは歯の表面に付着しやすく、黄ばみの原因につながります。水で口をすすぐだけでは落ちないため、食事のあとは歯をしっかり磨くようにしましょう。

ステインが多く含まれるものについては、以下が一例です。

  • 赤ワインやチョコレートなどポリフェノールを含む食品
  • コーヒー、紅茶、緑茶、烏龍茶などタンニンを含む飲み物
  • カレー粉、ウコン、サフランなど色の濃い調味料

また、上記のほかに人参やトマト、ピーマンなどの緑黄色野菜をはじめ、レモンやリンゴなどのフルーツも歯への着色があるとされていますので、食後はしっかり歯磨きをしましょう。

ホワイトニング歯磨き粉を使う

ドラッグストアなどで販売される市販の歯磨き粉のなかには、ホワイトニングに特化したものがあり、犬歯の黄ばみ予防が期待できます。
市販のホワイトニング歯磨き粉を購入する際は、以下の成分が含まれているものを選ぶとよいでしょう。

分割ポリリン酸ナトリウム
ポリエチレングリコール(PEG)
ポリビニルピロリドン(PVP)
歯の表面に付着した汚れを落としやすくする成分
ヒドロキシアパタイト 歯の表面の傷を修復し汚れが付きにくい歯にする成分

なお、歯の表面を傷つけない歯磨き粉選びも大切です。「研磨剤不使用」もしくは「低研磨性」の歯磨き粉を選ぶことでダメージを軽減し、着色しにくい歯を目指しましょう。

定期的にホワイトニングをする

ホワイトニングとは、歯磨きでは落ちない着色や汚れを落とし、白い歯にするための処置のことです。黄ばみや黒ずみ色素を分解し、歯を削ることなく本来の白さに戻す方法が一般的です。

ホワイトニングにはさまざまな種類があり、自宅で簡単にできるものもあれば、歯科医院でしか扱えない漂白を目的とした薬剤を使用する処置方法もあります。また、比較的短時間で効果を得られる方法や、時間をかけて白い歯の状態を持続するタイプなど、自分の好みに合わせて選べる点が特徴です。

犬歯の黄ばみが気になる人は、ホワイトニングを取り入れることがおすすめです。

犬歯の黄ばみに!ホワイトニングの種類

犬歯の黄ばみに!ホワイトニングの種類の画像 犬歯の黄ばみに!ホワイトニングの種類の画像

前述のとおり、犬歯の黄ばみにはホワイトニングが効果的です。ホワイトニングは、犬歯だけでなく歯全体を本来の白さにできます。
ホワイトニングには以下のような方法があるため、自分の悩みやライフスタイルに合ったものを選ぶとよいでしょう。

オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングとは、歯科医院で行うホワイトニング治療です。歯科医師や歯科衛生士が治療にあたり、医療薬剤を使用して歯を白くできる点が特長です。

オフィスホワイトニングでは、ホワイトニング効果があるジェルを歯に塗り、熱や光で活性化させる方法が一般的です。高濃度の薬剤を使うことで、1回の治療で高い効果が得られます。治療時間は30分〜1時間半程度となりますが、歯科医院によって異なります。

即効性が期待できる一方、短期間で色が戻りやすいともいわれています。さらに、費用が高額になる傾向にあるため、まずは効果と費用について歯科医院でカウンセリングを受けることをおすすめします。

ホームホワイトニング

ホームホワイトニングとは、歯科医院にて専用のマウスピース作製と薬剤の処方をしてもらい、実際のケアは自身で行うホワイトニング方法です。歯科医院に通うことが難しい人でも、自宅で簡単にホワイトニングできる点が特徴です。

まずは歯科医院へ行き、自分の歯列に合ったマウスピースを作成し、薬剤を処方してもらいます。その後、1日1回自分の好きなタイミングでマウスピースに薬剤を塗布して装着します。

マウスピースの装着時間は使用する薬剤によって異なりますが、1回20分〜1時間程度が目安となります。2週間程度続けると効果が感じられ、1~2か月程度で理想の白さになれるとされています。

オフィスホワイトニングよりも白くなるスピードはゆっくりであるものの、費用はホームホワイトニングの方が比較的安いでしょう。

デュアルホワイトニング

デュアルホワイトニングとは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの2つを併用する方法です。自宅でホワイトニングする時間と、歯科医院へ通院する時間が必要です。

デュアルホワイトニングは、それぞれのホワイトニングを単体で実施するよりも効果が長持ちしやすく、短期間で歯を白くできます。

「効果をなるべく長くしたいけど、できるだけ早く歯も白くしたい」という人におすすめです。また、オフィスホワイトニングを行う際は同時に歯科医院で歯のクリーニングを受けられるため、より清潔な歯を保てます。

ただし、メリットが多い一方で費用が多くかかるため、事前にメリット・デメリットを検討しましょう。

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングとは、サロンなどの専用機器や市販のアイテムを使って自分で処置するホワイトニング方法です。簡易的なホワイトニングで気軽にはじめられるため、最近増えているホワイトニング方法といわれています。

セルフホワイトニングは、デンタル美容サロンや専門店へ行き、スタッフに教わりながら自分でケアする方法があります。基本的には歯の表面に薬剤を塗り、LEDライトを照射する方法が一般的です。必要な機器や薬剤は、サロン内に用意されていることがほとんどです。
また、市販のホワイトニングシートやホワイトニングペンをご自身で購入して行う方法もあります。

セルフホワイトニングで使用する薬剤は歯科医院の薬剤とは種類が違う、または同じ薬剤でも濃度が低いため、即効性が低く短期間で歯を白くしたい人には向いていません。あまりお金をかけずにゆっくりと白さを保ちたい人には最適な方法といえるでしょう。

まとめ

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犬歯は、ほかの歯と比べて歯ブラシで磨きにくい場所に位置し、着色しやすいといわれています。犬歯が黄色いと、笑顔になったり会話したりするたびに汚れた歯が気になり、日々のストレスにつながります。着色しやすい飲食物を避けたり食後の歯磨きを徹底することで、ある程度の黄ばみは防げる一方で、一度黄ばんだ犬歯を自力で元に戻すことは難しいでしょう。

そのような場合は、ホワイトニングで歯本来の白さを取り戻すことがおすすめです。ホワイトニングにはさまざまな方法があり、歯科医院で受ける専門的な治療のほか、歯医者に通うことが難しい人でも気軽にセルフケアできます。自分に合ったホワイトニング方法を選び、黄色い犬歯を白い歯にして、笑顔を増やしましょう。

審美歯科ネットプラス編集部

この記事の執筆者

審美歯科ネットプラス編集部

審美歯科ネットプラス編集部は、メディカルネットが運営する審美歯科治療に特化した情報サイト「審美歯科ネットプラス」で日々配信を行っています。

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