ホームホワイトニングで本当に歯は白くなる?効果と注意点
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ホームホワイトニングで白くなる歯は「飲食物の色素による着色汚れ」「ヤニによる黄ばみ」などです。神経が死んだ歯や被せ物・差し歯などには効果が期待できません。また、自宅で好きなタイミングでできるといった利点がある一方、薬剤の濃度が低いため効果を実感できるまで2週間〜1か月ほどかかるなどの注意点もあり、即効性を求める方にも不向きでしょう。
この記事では歯のホワイトニングを検討中の方に向けて、「ホームホワイトニングって本当に効果があるの?」「どのくらい白くなるの?」「どれくらい白さが持続するの?」と疑問に思っている方に向けて効果を解説するとともに、オフィスホワイトニングと比較しながらメリット・デメリットもお伝えします。
この記事の監修医師

松岡 夏紀 歯科医師
- 監修
神戸女学院大学在学中に「女性の笑顔をもっと美しく輝かせたい」と歯科医師を志し、卒業後、東京歯科大学へ進学。
同大学で、臨床研修医修了後に補綴学講座を経て、医療法人社団双仁会 まつおか歯科医院の副院長に就任しました。
地域に密着した幅広い年代層の方々の診療に携わっています。その中でも特に、口元美容の診療を得意としており、歯科医師を対象としたセミナー活動も積極的に行っています。
ホームホワイトニングとは?


ホームホワイトニングとは、自宅にいながら自分の好きなタイミングでできるホワイトニングのこと。歯科医院で作った専用のマウスピースに、過酸化尿素や低濃度の過酸化水素などを含む薬剤を塗布して一定時間歯に装着します。マウスピースと薬剤があれば、旅行先や出張先など自宅以外でもホワイトニングができるなど手軽さが魅力です。
審美的な治療のため公的医療保険が適用されない自由診療となり、費用は歯科医院によって大きく異なります。一般的な例でいうと16,000~50,000円といった相場感です。内訳は、マウスピースの製作が13,000~45,000円ほど、ジェル状の薬剤が1本あたり3,000〜5,000円ほどとなります。なお薬剤は追加購入が可能で、その場合は別途ランニングコストがかかります。
ホームホワイトニングの効果
黄ばみの原因別効果
ホームホワイトニングでは、歯の表面に付着したコーヒー・赤ワイン・紅茶などの色素による着色汚れや、タバコのヤニによる黄ばみなどを除去するなど、過酸化水素には歯そのものの白さを内部から明るくする効果があります。
ただしホームホワイトニング期間中にタバコを吸うと、薬剤の効果が低下し期待する結果が得られなくなるおそれがあるため注意しましょう。また失活歯(神経が死んだ歯)や人工歯(差し歯など)、そのほか歯の内部から起こる変色などにはあまり効果が期待できません。
色の変化の程度
一般的なケースでいうと、ホームホワイトニングでは2〜4トーンほど白くなるケースが多いようです。ただし元の歯の白さや、歯科医院の指示通りに行っていたか、期間中の食事やケアを怠らなかったかなど様々な要素で変わるため、最終的な仕上がりには個人差があると思っておきましょう。
また、たとえばコーヒーなどの着色汚れとヤニの付着が同時に起こっており、さらに歯の内部から変色しているなど原因が複合的な歯は、思ったほど白くならない可能性もあります。
ヤニ汚れやコーヒー紅茶などの着色がひどい場合は、ホワイトニング前に歯科医院で器具を用いて着色落としをしておくとより効果的です。
効果の持続期間
ホームホワイトニングの効果は、やめてから半年ほど、正しいケアを続ければ1年ほどは効果が持続するとされています。ホワイトニング用の歯磨剤を使うとより効果的にホワイトニング効果が持続します。
しかし実際の持続期間は、食生活や喫煙の有無といった生活習慣、元の歯の白さや歯の病気の有無などに左右されます。たとえば目標とする白さを手に入れ、ホームホワイトニングを終了したとたんに紅茶やコーヒー、赤ワインなどを日常的に摂取したりタバコを吸ったりといった生活習慣を繰り返していると、より短期間で着色汚れが目立つようになる可能性があります。
効果を実感できるまでの期間
早い方で2週間ほど、遅い方でも1か月ほどで効果を実感できるようになることが多いようです。ただしホワイトニング期間中の食生活や喫煙の有無、着色の原因や度合い、ホワイトニングに充てた時間や薬剤などによって変わる点は覚えておきましょう。
少しでも早く効果を実感したいときは、歯科医院から指示されたマウスピースの装着時間をきちんと守ることが大切です。同時に、ホワイトニング期間中は着色汚れのリスクがある飲食物を避ける、禁煙するなども心がけましょう。
オフィスホワイトニングとの違い


オフィスホワイトニングは歯科医院で受けるホワイトニングで、一般的には薬剤に35%以下の過酸化水素を使用します。一方ホームホワイトニングは10%以下と濃度が低い過酸化尿素、もしくは3%程度の過酸化水素が使われることもあります。
薬剤の成分や濃度は効果が現れるまでの期間にも影響します。オフィスホワイトニングが数時間〜1日ほどで効果を実感できるのに対し、ホームホワイトニングは2週間〜1か月ほどかかるのが一般的です。
そのほかの違いとしては費用が挙げられます。オフィスホワイトニングは歯科医院で高濃度の薬剤や専用の機器を使用して行うため、マウスピースに薬剤を塗布するだけのホームホワイトニングと比べて費用は高くなります。まとめると、ホームホワイトニングは効果が緩やかですが、時間をかけて内部からじっくり歯を白くしていくので、オフィスホワイトニングよりも自然でムラがなく、きれいな仕上がりになることが多く、費用が安くて手軽に始めやすいといえるでしょう。
ホームホワイトニングのメリット・デメリット


ホームホワイトニングのメリット・デメリットをオフィスホワイトニングと比較しながら解説します。
ホームホワイトニングのメリット
自宅で手軽にできる
オフィスホワイトニングは歯科医院でしか受けられないため、予約をして決めた日時に歯科医院まで行く必要があります。その点、ホームホワイトニングは自宅など自分の好きな場所で、自分の都合のよいタイミングでできるのがメリットです。日々の予定や生活リズムが不規則で定期的に歯科医院に通えないという方も、ホームホワイトニングなら継続しやすいでしょう。
比較的費用が安い
ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと比べて費用が安いのもメリットです。いきなり高額なオフィスホワイトニングを選んで、イメージしていた仕上がりにならなかった場合のショックは大きいもの。ホームホワイトニングなら薬剤のランニングコストはかかりますがトータルで費用を抑えられるため、まずは自分にとってホワイトニングは効果があるのか、本当に白くなるのかなど疑問を持っている方も始めやすいでしょう。
ホームホワイトニングのデメリット
効果が出るまでの時間が長い
ホームホワイトニングは、日数をかけて徐々に白くなっていくので、変化にあまり気づかず途中で辞めてしまう方も多いです。理由は使用する薬剤の種類や濃度、施術方法にあります。オフィスホワイトニングでは35%以下と高濃度の過酸化水素を使用する一方、ホームホワイトニングでは10%以下と低濃度の過酸化尿素、または3%以下の過酸化水素を含んだ薬剤を使います。
またオフィスホワイトニングでは光を照射して色素の分解を促しますが、ホームホワイトニングではマウスピースを装着するだけなので、薬剤が時間をかけて浸透していくという違いもあります。
効果には個人差がある
効果の個人差が大きい点もホームホワイトニングのデメリットといえるでしょう。薬剤の濃度や着色汚れの原因、元の歯の色や生活習慣などでも効果に差が出ますが、さらにホームホワイトニングは自己管理が重要になるというのもその要因の一つです。
歯科医院ではきちんと時間を確保して歯科医師または歯科衛生士が施術を行ってくれます。一方、ホームホワイトニングは塗布する薬剤の量やマウスピースの装着時間、施術の頻度などすべてを自分で行わなければなりません。うっかり忘れたり時間や頻度を守らなかったりした場合、マウスピースを正しく装着しなかった場合などは効果に大きな差が出る可能性があります。
インターネットで購入できるホームホワイトニングジェルの効果は?


インターネット経由で購入できるホームホワイトニング用の薬剤(ジェル)は、過酸化水素や過酸化尿素などが含まれていません。歯の表面についた着色を落とすだけの効果であり、歯そのものの白さを明るくする効果は期待できないため、歯科医院のホームホワイトニングに比べて効果は低いと考えてよいでしょう。
市販品は薬剤の安全性や副作用の有無、トラブルが起こったときの保証などが明確でないことも多いため、少しでも不安なときは購入を控えることをおすすめします。どうしても気になる商品があれば、事前に歯科医師に相談しましょう。
まとめ


ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングと比べて安価な上、自宅などの好きな場所・好きなタイミングでできるのが大きなメリットです。ただし効果は緩やかで仕上がりは個人差が大きいため、「早く効果を実感したい」「間に合わせたいイベントがある」「自己管理が苦手」といった方は歯科医院でのオフィスホワイトニングがおすすめです。
予算に余裕がある方は、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを並行して進めるデュアルホワイトニングもあり、最も確実に早く希望の歯の白さを実現する方法とされています。
逆に、ホームホワイトニングよりもリーズナブルな方法を探している方には、市販製品を使ったセルフホワイトニングという方法も。同じホワイトニングでも様々な手段があるため、メリット・デメリットも比較しながらぜひ自分に合った治療方法を見つけてください。
以下のリンクからは、全国でホワイトニングが受けられる歯科医院を探すことができます。