意外と見られている!?歯の着色の解決方法

意外と見られている!?歯の着色の解決方法 監修:古川 雄亮歯科医師意外と見られている!?歯の着色の解決方法 監修:古川 雄亮歯科医師

最近、前歯が少し黒くなり始めている。痛みはないから虫歯ではないと思うし、特に実害はないけど、どうしても気になる…そんなお悩みをお持ちの方も、いるかと思います。

歯が黒くなったり、黄色くなったりする理由は、なにも虫歯だけではありません。今回は、歯が着色してしまう理由や、歯の着色の対処法・予防法について、詳しく解説していきます。

この記事の監修医師

古川 雄亮 歯科医師

古川 雄亮 歯科医師

  • 監修

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

歯の汚れは見られている!?

歯の汚れは見られている!?の画像 歯の汚れは見られている!?の画像

会話中に相手の歯を見た時に「歯が黒いな」「ヤニが付いているな」と、意外と気が付いてしまうことが多いものです。相手にとっても同じことで、自分の歯の汚れは他人に気づかれやすいと考えた方がいいでしょう。

だからこそ、歯の着色予防や着色後の対処は、相手に好印象を与えるために重要なポイントです。具体的にはどうすればいいのでしょうか。まずは、対処法を紹介します。

歯医者さんで歯の着色を取る

歯医者さんで歯の着色を取るの画像 歯医者さんで歯の着色を取るの画像

歯のクリーニングを受ける

歯科医院における歯のクリーニング(PMTC・プロフェショナルメカニカルトゥースクリーニング)は、歯を清潔に保つための最も有効な手段の一つです。メリットは大きく、歯科の専門器具により日頃の歯磨きでは落としきれていない歯の汚れを落とせるだけでなく、歯に強くこびりついた歯石の除去も可能です。

また、歯石の除去と同時に、「歯冠研磨」と呼ばれる歯のお掃除も受けられます。ブラシだけでなくゴム製のチップなども使用し、歯の表面に残っている細菌や汚れを取り除いていきます。

エアフローを使ったクリーニングを受ける

歯科医院でのPMTCというクリーニングのほかに、エアフローという機械を用いて歯の着色を落とすクリーニングがあります。

細かい粒子の粉を勢いよく歯に吹き付けることで、歯の表面に付着した着色汚れを落とすことができます。
タバコによる着色汚れやコーヒー・紅茶による着色汚れなど、歯の表面に付いた黒い着色はエアフローが効果的です。

ホワイトニングをする

歯科医院で専門家が行う「オフィスホワイトニング」は、自宅でご自身で行うホームホワイトニングよりも効果が高く、歯が白くなるまでの期間も短くすみます。

ホワイトニングの具体的な手順として、まずは歯のクリーニングを行い、ホワイトニング用の薬剤ジェル(過酸化水素や過酸化尿素)を塗布し、光を照射します。使用する製品により時間は前後しますが、30分-60分程度薬を塗って光を当てる処置を数回繰り返すことにより、短時間で歯を漂白することができます。

ホームホワイトニングでは、まずは歯型を採取してホワイトニング用のマウスピースを作製し、患者さんが自分自身でマウスピースにホワイトニング用の薬剤を注入して装着することで、日々少しずつ歯を白くしていく方法です。

オフィスホワイトニングに比べて歯が白くなるまでに時間がかかりますが、その分後戻りしにくい・自分のタイミングで行える・白さが気になったときにホームホワイトニングをすることができるなどのメリットもあります。

汚れを落として自分自身の歯の白さを取り戻したいというよりも、より一層白い歯を目指したい方にはホワイトニングがおすすめです。

自分自身で歯の着色を取る

自分自身で歯の着色を取るの画像 自分自身で歯の着色を取るの画像

ホワイトニング歯磨き粉を使う

もっと手軽に歯を白くしたい…という方は、まずはホワイトニング効果に注力しているホワイトニング歯磨き粉を使ってみてはいかがでしょうか。

ホワイトニング歯磨き粉には重曹や研磨剤が多く含まれており、歯の表面に付いた汚れを削り落とすことができます。ホワイトニング歯磨き粉を使って歯磨きをすることで歯の表面の着色汚れを落とし、本来の歯の白さを出す効果があります。

歯の消しゴムを使う

歯の表面を擦ることによって汚れを落とせる、「歯の消しゴム」と呼ばれるアイテムがあります。効果に個人差こそありますが、気軽に使用を始められるだけでなく、持ち運びも可能なので、外出先で歯の色が気になった時に、すぐに使えるという長所もあります。

ホームホワイトニングをする

自宅で行う「ホームホワイトニング」は、歯科医院で行うオフィスホワイトニングで使う薬剤の濃度より低く設定されています。ホームホワイトニングでは、ホワイトニング用のマウスピース(トレー)に薬剤を塗布して数時間装着し歯を漂白します。

ホワイトニング薬剤の濃度が低いため、オフィスホワイトニングよりも即効性は期待できませんが、長期間使うことが多いので白くなった後の持続に期待できます。

着色を付きにくくするには?

着色を付きにくくするには?の画像 着色を付きにくくするには?の画像

食事や喫煙などの生活習慣により付着した歯の汚れを後から除去する対処法のみでなく、そもそも歯に着色がつかないように予防策も重要です。

例えば、食事での歯の着色を防ぐためには、カレー、コーヒー、ワイン、ケチャップといった着色しやすい飲食物を摂取しすぎないようにしましょう。また、ホワイトニング歯磨き粉を使い、食後の歯磨きを毎日欠かさず行うことで歯の汚れを除去できるだけでなく、着色予防にもつながります。

食事以外には口呼吸でなく鼻呼吸を意識したり、煙草を吸っている方は禁煙するなども歯の着色汚れを防ぐ上で重要なポイントです。

また、歯の着色の予防をする上で、歯科医院にこまめに足を運ぶことも非常に効果的です。PMTCでは最後に高濃度のフッ素を歯に塗布することが多いため、虫歯の予防という点においても、高い効果が見込めます。

歯の表面以外の着色汚れの場合

歯の表面以外の着色汚れの場合の画像 歯の表面以外の着色汚れの場合の画像

天然歯の表面ではなく、CR(プラスチックの詰め物)やセラミックの被せ物が変色してしまった時は、特に注意が必要です。装置の隙間に汚れが付着したり、長年の使用が理由で変色した場合は元の綺麗な状態には戻りません。

そして詰め物や被せ物はホワイトニングによる漂白は不可能です。着色汚れが気になる場合は治療のやり直しを検討する必要性もあります。詰め物や被せ物の着色は経年劣化が原因であることが多いため、どうしても気になる場合は歯科医院に相談しましょう。

まとめ

まとめの画像 まとめの画像

歯が変色しても、着色の原因となっている汚れをPMTCで落とし、オフィスホワイトニングで歯を白くすることにより、歯を白くすることができます。また、軽度の変色であれば、市販のホワイトニンググッズを使って、自分自身でケアすることも可能です。

歯の詰め物や被せ物が着色してしまった場合は、治療をやり直すことで解決できます。

歯の変色は相手の目にも目立つもの。今回紹介した対処方法や予防方法を活用して、綺麗な白い歯を保てるようにしていきましょう。