ホワイトニングは保険適用になる?費用を抑える方法も解説
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ホワイトニングは、基本的に審美目的の自由診療となるため公的医療保険の適用外です。ただし場合によっては、公的医療保険の適用範囲で歯を白くできるケースもあります。
この記事ではホワイトニングの種類別に特徴や費用相場を紹介するとともに、費用を抑える方法や歯科医院の選び方、ホワイトニングで白くなった歯を長持ちさせる秘訣まで詳しく解説します。目的や予算に合ったホワイトニングの方法を見つけて、ぜひ白くキレイな歯を手に入れるために役立ててください。
この記事の監修医師

梅山 遼 歯科医師
- 監修
京都大学医学部附属病院歯科口腔外科、独立行政法人国立病院機構南和歌山医療センター麻酔科、東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科、順天堂大学医学部附属順天堂医院歯科口腔外科医局長を経て、現在は、DELTA CLINIC虎ノ門 歯科口腔外科・矯正歯科にて歯科医師として勤務しています。
ホワイトニング治療は基本的に保険適用外


ホワイトニングは、歯を白くするという審美目的の治療です。虫歯や歯周病の治療とは異なり、基本的に公的医療保険が適用されない自由診療となります。近年「ホワイトニングが保険適用になった」という情報がインターネット上で見受けられますが、これは誤解です。
正しくは、CAD/CAM冠という歯に被せる白い素材について、保険適用で使用できる範囲が広がったという情報が誤って認識されていたようです。CAD/CAM冠は詰め物・被せ物であり、歯そのものを漂白するホワイトニングとは治療の本質が異なります。現時点では「ホワイトニングは保険適用されない」ということを覚えておきましょう。
事情によっては保険が適用されるケースもある
一般的に解釈されている「ホワイトニング治療」は公的医療保険の適用外ですが、公的医療保険が適用されるケースもあります。たとえば、歯の機能回復を目的とした治療の一環で行われるクリーニングは、公的医療保険が適用される場合があります。
ただし、あくまで機能回復が目的であり審美目的のホワイトニングとは異なります。まずは歯科医院に相談してみてください。
ホワイトニング治療の費用相場


ホワイトニングは大きく分けて「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「デュアルホワイトニング」の3種類があります。それぞれの特徴と費用相場は以下のとおりです。
種類 | 特徴 | 費用相場 |
---|---|---|
オフィスホワイトニング | 歯科医院で歯科医師や歯科衛生士による施術を受ける方法です。高濃度の薬剤とライトを使用するため、即効性が期待できます。 | 20,000~70,000円 |
ホームホワイトニング | 歯科医院で作成したマウスピースと薬剤を使用し、自宅で毎日数時間装着する方法です。効果が現れるまでに時間がかかりますが、自分のペースで進められます。 | 20,000~40,000円 |
デュアルホワイトニング | オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法です。 | 40,000〜80,000円 |
歯科医院や使用する薬剤によって費用は異なります。より詳しい費用については各歯科医院に問い合わせください。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士による施術を受ける方法です。高濃度の薬剤とライトを使用するため、1回の施術でも効果を実感しやすいのが特徴です。費用相場は20,000〜70,000円程度です。短期間で歯を白くしたい方や、歯科医師に相談しながら進めたい方におすすめです。デメリットとして1回で白くできるトーンに限界がある、施術時間が長い等が挙げられます。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、歯科医院で作製したマウスピースと薬剤を使用し、自宅で毎日数時間装着する方法です。費用相場は20000〜40,000円程度です。自分のペースでホワイトニングを進めたい方におすすめです。効果が現れるまでに10日から2週間ほどかかりますが、しみにくい、より白くできる等のメリットがあります。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法です。費用相場は40,000〜80,000円程度です。まず、歯科医院でのオフィスホワイトニングで歯を白くし、マウスピースと薬剤を使ったホームホワイトニングでその白さを維持・向上させます。即効性と持続性を両立したホワイトニング方法です。
ホワイトニングの費用を抑える方法


ホワイトニングは自由診療のため費用が気になる方も多いでしょう。そこで、ホワイトニングの費用を抑えるためのいくつかのコツをご紹介します。これらの方法を参考に、予算に合ったホワイトニングを見つけましょう。
コース料金やセット割引を利用する
歯の黄ばみが重度の場合、1回のオフィスホワイトニングでは十分な効果が得られないことがあります。複数回の施術が必要になるときは、医院によってはコース料金やセット割引を利用することで1回あたりの費用を抑えられる可能性があります。
複数回の施術を前提としたコース料金や、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせたセット割引などを提供している歯科医院がないか探してみましょう。これらの割引を利用することで、通常よりもお得にホワイトニングを受けられる可能性があります。
ただしコース料金やセット割引の内容は歯科医院によって異なります。事前に各医院のウェブサイトやカウンセリングで情報を確認し自分に合ったプランを選びましょう。またコースによっては有効期限が設定されている場合や、途中解約ができない場合もあります。契約前に条件をよく確認することも忘れないようにしましょう。
セルフホワイトニングをする
セルフホワイトニングとは、自宅で市販のホワイトニング剤を使用したり、専門サロンで施術を受けたりする方法です。費用相場は数千〜10,000円程度と、歯科医院でのホワイトニングに比べて手軽に試せる価格帯が魅力です。
しかし、歯科医院で行うホワイトニングとは全く異なることを理解しておく必要があります。セルフホワイトニングは、あくまで歯の表面に付着した着色汚れを落とすことを目的としています。そのため歯そのものの色を白くする効果は期待できません。
たとえばコーヒーや紅茶、タバコなどによる黄ばみを取りたい場合はセルフホワイトニングでも効果を実感できる可能性があるでしょう。しかし加齢や遺伝による歯の黄ばみ、神経を抜いたことによる変色など、歯の内部に原因がある場合は効果がありません。
またセルフホワイトニングで使用する薬剤は、歯科医院で使用する薬剤とは全く異なります。その上、効果の持続期間も短いため定期的なメンテナンスが必要です。輸入品などは安全性が確認されていない成分が含まれているリスクもあるなど、安易に手を出すことはおすすめできません。
歯を安全に、しっかりと白くしたい場合は歯科医院でのホワイトニングを検討しましょう。
ホワイトニング治療を受ける歯科医院選びのポイント


歯科医院によってホワイトニングの費用や施術方法、使用する薬剤などが異なります。ホワイトニングで後悔しないためにも、自分に合った歯科医院を選びましょう。
症例と治療実績が豊富な医院を選ぶ
ホワイトニングは歯科医師の知識や技術、経験で仕上がりが大きく左右される場合があります。症例や治療実績が豊富な歯科医院を選ぶとよいでしょう。歯科医院のウェブサイトやSNS、口コミサイトなどでホワイトニングの症例写真や、患者さんの声を確認してみてください。
また複数の歯科医院でカウンセリングを受けるのもおすすめです。歯科医師の治療方針や説明を聞き、自分の希望・疑問もしっかり伝えましょう。複数の歯科医院を比較検討することで、より納得できる歯科医院を選ぶことができます。
費用が明確になっている医院を選ぶ
ホワイトニングの費用は歯科医院によって異なります。事前に料金を明確に提示してくれる歯科医院を選びましょう。治療前に総費用・内訳・追加費用が発生する場合の条件などを詳しく説明してくれる歯科医院であれば、安心して通えるのではないでしょうか。たとえば以下のような点を確認しておくと安心です。
- 基本料金に含まれる施術内容
- 使用する薬剤の種類と料金
- 追加の施術や薬剤が必要になった場合の料金
- メンテナンス料金
- 支払い方法
なお歯科医院によってはウェブサイトに料金表を掲載している場合もあります。事前に確認しておくとよいでしょう。費用について少しでも疑問があるときはカウンセリングで遠慮なく質問し、納得した上で治療を受けることが大切です。
ホワイトニング治療後の歯を長持ちさせるポイント


ホワイトニングで手に入れた白い歯をできるだけ長く維持するためのポイントをいくつか説明します。ぜひ実践して美しい歯をより長く保ちましょう。
食生活と喫煙習慣の改善
コーヒー、紅茶、カレー、赤ワインなど色素が濃い飲食物は歯の着色汚れを促します。またタバコに含まれるタールも同様に、歯の黄ばみの原因となります。これらの飲食物や嗜好品を摂取する際は以下の点を心がけましょう。
- 摂取する頻度を意識して減らす。
- 摂取したあとはすぐに歯を磨く(難しい場合は口をすすぐ)。
- 色素が濃い飲み物はストローで飲む。
- 喫煙習慣がある方は禁煙する、またはタールを含まない電子タバコに切り替える。
食生活と喫煙習慣の改善は、ホワイトニングの効果を長持ちさせるだけでなく口腔全体の健康維持にもつながります。
こまめな口腔内ケアを行う
毎食後の歯磨きはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスなどを活用して歯の隙間や表面に付着した汚れも丁寧に除去しましょう。特に色の濃い飲食物を摂取したあとは、早めに歯磨きをすることが大切です。
またホームホワイトニングの方は、歯磨きを怠ると薬剤の浸透が妨げられて効果にムラが生じる場合があります。ホームホワイトニングの前は特に念入りに歯磨きをして口腔内を清潔な状態に保ちましょう。
定期的な検診を受ける
日々のセルフケアだけだと、どうしても歯垢や着色汚れが残ってしまう場合があります。定期的に歯科医院で検診を受けることも、ホワイトニング効果を長持ちさせる上で非常に重要です。
歯科医院では専門的なクリーニングによって、歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石、着色汚れなどを除去してもらえます。定期的なクリーニングは虫歯や歯周病の予防にもつながり、口腔全体の健康維持に役立ちます。
定期検診の頻度は歯科医師と相談して決めましょう。一般的には3か月〜半年に1回の頻度が推奨されています。
まとめ


歯科医院で行うホワイトニングは、原則として公的医療保険が適用されない自由診療になります。ただし病気や怪我の治療の範囲で行われるクリーニングなど、特定のケースでは公的医療保険が適用される場合もあります。
ホワイトニングには「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「デュアルホワイトニング」があり、それぞれ特徴や費用が異なります。じっくり検討し、自分の目的や予算に合った方法を選びましょう。またホワイトニングを受ける歯科医院選びも重要です。症例や実績、費用などを比較して信頼できる歯科医院を選びましょう。
ホワイトニングで白くなった歯を長持ちさせるには、日々の口腔ケアや定期的な検診が欠かせません。美しい白い歯を維持するためにも、適切なケアを継続してください。
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